去年の夏のお話です…。
ウチの女性スタッフが、あるゆかた販売会で売り子さんをしていたところ、ひとりの
おばさまが近寄ってきて、いきなりスタッフのおはしょりに手を入れてきたんだ
そうです。
そのおばさま、手をグリグリさせながら、
「あなた、ほら!上前(うわまえ)が下がってきてるわよ!」
「こんなに腰紐がゆるくて大丈夫?私の手が入っちゃうなんて、もっと
きつくしなきゃだめよぉ!」
って言ったんですと。
ウチのスタッフはこんなことにも慣れっこになってて、
「あ〜ら、わたくし、普段(普段から着ていることを強調しながら…)きものを着るときも、
い・つ・も(いつも着ていることを再度強調…)これで落ちてきませんのよ。オホホホホ…。」
とやり返したそうですが、そのおばさん、それでもめげずに
「あ〜ら、ずうずうしくてごめんなさいねぇ〜」
と言いながら、さらに『タオルを使った補正の方法』を延々とレクチャーして帰って
いったそうです。
しかも!(ここが一番肝心。)何も買わずに。
…みなさんはどう思います?
(いや、“何も買わなかったこと”がどう、とかじゃなくって…(^^ゞ)
例えば…あなたが街を歩いていると、見知らぬおばさんがニコニコしながら寄ってきたと
思ったら、突然洋服の下腹部に手を入れて、
「あなた!このゴム、ゆるくなってきてるわよ!グリグリ…」
…なんてことを“レクチャー”されたとしたら…。
わたしならケーサツ呼びますよ。絶対。
なぜでしょう?ゆかたやきもの姿のときだけ、この手のおばさまが出没するのは…?
みなさんは遭遇したことはありませんか?『おなおしおばさん』に。
「ひょっとして、あのときの…?!」とか「おなおしおばさんってなに?」と思われた方の
ために、ちょっとここで『おなおしおばさんの「特徴」と「発言の傾向」について』
考えてみましょう。
(もちろん、『おなおしおばさん』の中にも『いい人』と『そうでない人』がいます。
ここでは『そうでない』タイプの『おなおしおばさん』についてふれてみたいと思います。)


● 身長の高い女性がゆかたを着ていると、そばに寄ってきて
「あ〜ら、あなた大変ねぇ。背がお高いから採寸も大変でしょ〜。
あ、やっぱり裄(ゆき。袖の長さのこと)が短いわね〜。かわいそうね〜。」
とか言う。
● 「あら!あなたかわいいゆかた着てるのね。ほほほ…。
…でもねぇ。ちょ〜っとこの柄は季節的におかしいんじゃないかしら?…。」
などの『ほめ落し』技を使ってくる場合もある。
● 「ダメダメ!こんなんじゃダメよぉ!」と先手必勝とばかりに「ダメ」を連発し、
自分のペースに引き込もうとする作戦をつかう。文句を言おうにも常に笑顔
のため、反撃しづらい。

● 「衣紋(えもん)」とか「上前(うわまえ)」とか、一般の方は聞きなれない
言葉を連発して、相手の戦闘意欲をそぐ作戦を使う。
また、「ゆかたなんて寝巻きなんだから〜」などと、昔の古い常識を引用したがる
傾向も。

● 「私は腰ひも1本だけで着付けることができるのよ!」
などと、
『 左フック一発でボ●サ●プを沈めたかのような勢い 』で自分の自慢をはじめる。
● 「あ〜ら、ずうずうしくってごめんなさいねぇ」と言いながら、反省する様子もなく、
さらに“ずうずうしい”行為を続けることもあり。

● “自分がゆかたを着ている状態のおなおしおばさん”というのはあまり見かけた
ことがありません。

● 突然現れて、言いたいことを言ったかと思えば、あまり歓迎されてないと知ると
「あ〜ら、ごめんなさいね〜」と言いながら消えていく。
● 時には「私が直してあげる」と帯をほどいてしまい、結局直せずに逃げていって
しまった、なんて話も聞いたことがあります。
『いけないおなおしおばさん』に共通して言えることは、
『自分はとてもいいことをしている』
と思い込んでいるところです。
その場ではどうしようもないことを指摘し、相手の気持ちを考えずに自分の知識の
披露だけに夢中…ってのは「いいこと」でもなんでもないと思うのですが…。
ゆかたりずむもサイトの運営上、「このような着方がベスト!」などと言ってますが、
それはお出かけ前に自分でできることだけを書いているに過ぎません。
実際に街中で着崩れた人をつかまえて「あなた、ここがこんなになってるわよ!」
なんてことは一切しません。その人の状況が今、どんな風で、どんな気持ちでいるか
など、一瞬見かけただけでは想像もつかないからです。
着付けに対して、慣れてない人は「これでいいのかな…」「崩れてこないかな」と常に心配
しているもの。こういう人に追い討ちをかけるような指摘をするのはいただけません。
本人はとても嫌なのに、口では「どうもありがとうございます」と言わなければいけない
のはつらいはず。そんな経験をしてしまったら、もう2度と着たくなくなるかもしれない
ですよね。
ましてやこれが、彼とはじめてのゆかたでデートだったりしたら…。
きっと彼も目の前で繰り広げられている光景に、どうしていいかわからず、おなおし
おばさんの攻撃を受け入れるしかなかった…
なんて経験した人もいるんじゃないでしょうか?(求む!経験談。(^^ゞ こちらまで)
前述の通り、中には『いいおなおしおばさん』もたくさんおられます。
『助けてもらって感動した』なんてメールも確かにいただきます。
では、『いい感じのおなおしおばさん』っていうのはどういうタイプなのでしょう?
ちょっとまとめてみました。


● 着崩れていようと、左前に着ていようと、本人がそれを気にしていないようなら
声をかけない。

● 声をかけ、対処法を説明して、了承を得られてからでないと触れたりしない。
● 着なおし、結びなおし、などのいわゆる“リセット技”は路上では不向きです。
ハンカチ1枚で帯のゆるみを直せたり、痛いところをなくしてくれたりすると、とても
嬉しいですよね。

● 「こんなんじゃダメよ!」などと、決して言ったりしない。
自分には相手を否定する権利はないことをよく知っている。

● 彼とのデート中にいきなり見知らぬおばさまから、自分の無知を痛烈に指摘
されたら、どんな気持ちになるでしょう?
そういう女の子の気持ちをちゃんと察してあげられる人。
…こんなところでしょうか。
行為は同じでも、アプローチの方法に問題がある、ということにみなさんお気づきだと
思います。 そこにちょっとした「思いやり」や「やさしさ」があれば解決することだと
思うのですが…。
でもこのコラム、当のおなおしおばさんに読んでもらわんことには、事態は改善しない
っすね。(^^ゞ
いま、おなおしおばさんに対する対策法のネタを練っているところです。
どうしたらおなおしおばさんに遭遇せずにすむか、もしも遭遇したらどうしたらいいか、
など、いろいろと考えていきたいと思っています。
まて!次回作!! (40万アクセスまでにはなんとか…(ばき。m(__)m))