第1話:待ち合わせ (by へんしゅうちょ)
花火大会の夜―。
駅前のコンビニで待ち合わせ。いつもは時間通りに来る彼女が、
今日はなかなか来ない。
ゆかた姿で通り過ぎる女性たちを横目で見ながら…
「今日子ちゃんのゆかた姿って、どんなんだろ…?」
なんて想像しながら、時間をつぶす。
でも、「ゆかた着る」なんて何も話してなかったし。。。
約束もしてないのに、わざわざゆかたなんか着てくるわけないよな…。
よ〜し。…いつか、もっと仲良くなって、
「オレ、今日子ちゃんのゆかた姿、見てみたいな…」とか言ってやろ。
えへ。えへへへへへ…。(o ̄▽ ̄o)(←なにやら妄想中…)
20分経過…。まだ来ない。
おいおい…。花火、いい場所が取れなくなっちゃうぞ…。
せっかく俺が立てた予定が、スタートから狂っちゃうよ。。。
顔を見たら、文句のひとつも言ってやらなきゃ。
なんて思いながら、他の女の子のゆかた姿を見てたとき。
…真横に来るまで、全然気が付かなかった。
肩をたたかれて、振り向くと、ゆかた姿の今日子ちゃんがそこにいた。
ハッとして、息を呑む俺。
『か…。カワイイ…。』
待たされたことに対する思いなんか、完全にどっかに飛んでいってしまった。
ひ、ひょっとして、俺のために???ま、マジで??? ジーン…
…でも。そんな気持ちとはウラハラに、俺の口から飛び出したのは…。
「…な、な〜んだ。遅いな〜と思ったら…
ゆ、ゆかたなんか着てきたのかぁ…。」
…
…
…。
「ゆかたなんか」
この【ひと言】が、このあとに襲い掛かる悲劇の序章だったことを、
俺は知る由もなかった…。
(つづく)
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